「ROCKなMOVIE古今東西・その4」
今までは、見終わった映画の感想や紹介をしてきたのですが、今回は公開前の映画を紹介する事ができそうです。
今回の映画は「パイレーツ・ロック」。
映画というものは、スクリーンに映される映像を観るというシステムになっておりますが、この映画は“観る”というより“聴く”という感じになるのではないでしょうか。
映画の中で掛かる曲数は58曲!
「パイレーツ・ロック」のタイトルが示すとおり、流れるのは、ほとんどがRock Music。
2時間強の長さだから、ずーっとRockが掛かりっぱなしなのでしょう。楽しみです。
映画のストーリーですが、場所はイギリス、年代は1966年。
当時イギリスには、国営のBBCしか放送局がなく、そこから流れるポピュラーミュージックは、1日45分だけだったのです。
その頃のイギリスでは、ビートルズやストーンズを筆頭に、キンクスやフー、ゼムやアニマルズ等が活躍していて、コンサート会場は大盛り上がりだったことはご存知かと思います。
にもかかわらず、イギリス国家はイギリスの若者にポップスを提供していなかったのです。
しかし、若者達は全然困っていませんでした。
海岸から5キロ先には、24時間ご機嫌なRockを掛け続ける海賊船が在ったからです。
一応、映画ですからフィクションの様に語られていますが、一部を除いてほとんど実話といってもいいでしょう。
実在したレイディオ・キャロライン (63年開局)のエンペラー・ロスコウやサイモン・ディー、レイディオ・ロンドン(64年開局)のケニ・エヴェレットやジョン・ピール等をモデルにした人物が出てきます。
映画では、堅苦しい国家に睨まれ大晦日をもって放送を終了せざるを得なくなるというストーリーですが、実際のイギリスでは電波法の改正により、67年の8月15日に海賊放送局は消えることになったのです。
しかし、9月末からBBCが番組のスタイルを変え(ラジオだけではなくTVも!)。
それはそれは、素晴らしい番組を作っていくことになるのですが、その時起用されたDJ達は、この海賊放送のDJ達だったのです。
絶対おすすめの映画です。
Rock好きはもちろん、ただの映画好きでも大丈夫です。
素敵なRockで、秋の夜長をすごしましょう。
10月24日から『スガイシネプレックス』で始まります。
「キャデラック・レコーズ」といい、スガイさんは良い映画をやってくれます。これからもお願いね。