FMを始めて14年になる。
よく有る話だが、初めは1年、3年、5年と「早く経たないか」「5年やれば借金も終わって一区切りだ」と毎日の様に自分に言い聞かせ、それを待ち望んでいた。
その5年も10年も今となればアッと言う間に過ぎ、それ程昔の事とも思えない。
しかし、その間に世間の事情は刻々と変化し、景気は悪くなる一方。バブルの恩恵など受けた事無いと思っていたが、開店当時(94年)は、まだその名残が有り、みんな10年後にどうなるか全く想像出来なかった。若い男もオヤジも深夜、朝方まで浮かれて酔っぱらってネエちゃんを口説いていた。
それが今や若い男は暗く、おとなしく、隣のネエちゃんに嫌われないように気を遣いながらチビチビ飲んでいるし、オヤジは体に気を遣いながら“金の無い孤独”を噛みしめている。
かく言うオレはデジタルの波について行けず、昭和の遺物として、何とか生き残りをかけてアナログな戦いを続けていると言うわけだ。
しかし、人間やはりルーツの上に生きがいを見つけるしかないと思う。自分が味わい、受けてきた事の上に、今の店を開くきっかけも有り、その還元が自分の仕事のエネルギーだと思っている。
次回は、その辺について語ってみたい。