2009年9月1日火曜日

南三条界隈かわら版 第6号⑧

『松山東署事件・その3』
 松山東署に着いたモーリー、S氏、K氏の3人は、取調室の隣にある長椅子で待たされていた。
 取調室に響くホステスさんの罵声や泣声などを聞きながら、その時のモーリー、完全に縮み上がっておりました。
 そんな中、案内された会議室のような部屋。現れたのが『ファンシーサロンあ・い・う・う・え・お』で、K氏に「そんなに文句があるのなら・・・」と言った刑事さんだったのです。
 まず、住所・氏名・職業を尋ねられ、「名前は森耕三、住所は愛媛県・・・」と、ここまで答えた後、刑事さんに逆に質問をしたのです。
「刑事さん、これは世間にばれるのでしょうか?職場にばれるのでしょうか?」と。
 刑事さんが「大丈夫」と言ってくれたので、モーリーも「職業は団体職員です」と答えたのです。
 次に生年月日を聴かれたので、何も考えず正直に答えました(その時、19歳だったのだが、それには何も触れられなかった)。
 そして次の質問から、いよいよ核心部分に話が移っていった。
「結論から聴くけど、果てたのかい?」
 モーリーの頭の中をいろんな思いが瞬時に巡り回った。
『正直に“果てました”と答えるべきなのか?そう答えた場合、泣いていたホステスさんは、罪に問われるのだろうか?』等々。
 その結果、ホステスさんを助けてあげようと思い「いってません」と答えていたのです。
 その後は「右手は、どこを触った?」とか「左手は、どこを握っていた?」と、具体的な質問に移りました。
 どこで用意したのか、刑事さんは左手に持った辞書で、モーリーが発する淫靡で猥褻な単語を調べながら、真面目な顔で調書に書き込みを続けたのです。
「じゃあ、これで終ります」と言われ、エレベーターのボタンを押そうとしたその時でした。
 さっきの刑事さんが、モーリーの肩をポンポンと叩きながら「森君、まだ19歳なのかい、19歳は、お酒を飲んだらいけんのじゃなかろか」
 会議室に戻され、座るや否や刑事さんが言った言葉が、モーリーの心の中で未だに響いている。
「森君は、19歳に見られたこと無いじゃろ」
 モーリーは、それだけ老けていたのだ・・・ちょっと悔しかった。
 その後は、簡単な反省文を書かされ、すぐ帰宅を許されたのですが、この話は、これで終わりでは無いのである。
つづく